Andante/J.S.Bach
私はケイショウを鳴らしているのだよ。

ケイショウ?

それって、あそこが小さめなこと?

小さいんじゃなくて、存在そのものの責任。

要するに、怪我が軽いってことだろ?

ブッブー、それは反則、即退場。

ふざけるのもいい加減にしたまえ、今は大切なときなのじゃ。

生まれる?

妊娠とか、してないし、バカ。

つまりケイショウとは、人の存在と限界に関わるキーワードなのだよ。

要するに無理ってことでしょ。

私、間違ってないわよ、ねえ。

さっさと、飛べよ、飛ぶんだろ?

無理に決まってるじゃない、私、無理よ、そんなの。

血を流すのが怖いのか、それとも、変化が怖いのか?

怖いんじゃない、ただ、あなたが、嫌いなだけ。

ウソつくな、生きる意味なんか『ない』って、最初から知ってたろ。

運命を信じるのは、いけないこと? 

空にあるのは開放ではない、空気のない苦しささだけだ。

孤独なんて、今さら何よ、最初っから、孤独だったわよ。

死を恐れないなら、もったいないから、誰かのえさになりなさい。

融合、という名の吸収。

ほんの少し、咽が渇いた、水を、ください。

水でいい。

こんなことなら、お掃除、しておけばよかった。

血なんて、とまらないのよ、裂けてしまったらね。

さよなら、って、私、何にすがってるんだろ。

涙、そんなものも、あった。

眠るだけ。

一人で眠らせて。

じゃましないで。

重いのよ、じゃまだって、言ってるのに。

なんでいるのよ。

ばか。


  Naoki 2008/06/18